フィンランド発祥のサウナ、今では日本でもお馴染みの洋風蒸し風呂ですね。ヒノキの香りに包まれながら、たくさん汗をかいて、心も体もスッキリ気持ちよ～くなりますよね。
ここで賛否両論のサウナのダイエット効果、実際サウナで痩せられるのでしょうか？
目次
サウナでは痩せない！？
サウナに入った後って、心地よい怠惰感と共に体重が減って、たくさん運動した後のような痩せた気分を味わえるのですが、これは一過性の体重減少に過ぎないんです。
体重が減るのは汗がでるから
サウナの最大の特徴は温熱効果があること。一般的なサウナでは室内が80°C～100°Cという高温に保たれていて、5分～10分座っているだけで汗が噴き出してきます。
これは、体全体が温まるため、全身の血管が拡張し血液の流れが良くなることで、余分な水分の排出が促進されるから。1回のサウナ入浴で400～500ｍｌもの水分が汗として体外に出るといわれています。
ですから、入浴前と比べると体重がやや減りますが、これは水分を摂るとすぐに戻ってしまうので、痩せたとは言えないんですね。
思ったほどカロリーは消費されない
体が温められることで代謝は上がるのですが、サウナ1時間で消費されるエネルギーは約150ｋCalほど。ウォーキング1時間では約200ｋCalなので、座っているだけで代謝が良くなるとは言っても、劇的にカロリーが消費されるという事でもないのですね。
サウナでは、むくみや筋肉疲労回復などの即時の効果は期待できますが、脂肪を燃やして痩せるとなると、長期的に代謝を上げることが必要になってきます。
サウナで代謝が良くなった状態は4時間余りで元に戻ってしまうので、1回の入浴では脂肪を減らすまでの効果は得られないのです。
サウナにダイエット効果がないわけではない
いえいえ、ガッカリするのはまだ早い！サウナで痩せないというのは、1～2回入浴したからと言って即効性があるという事ではないというだけ。サウナの効能を理解して上手に入浴していくと、ダイエットに嬉しい効果をもたらしてくれるんです。
サウナで痩せやすい体作り
サウナには温熱効果があることは先ほども言いましたが、これには脂肪を燃やしやすい体、つまり、痩せやすい体になることにとても役立つんです。
- 基礎代謝を長期的に向上させる
人の体は、体温が1°C上がると基礎代謝が約12～15％上がるといわれています。基礎代謝は生命を維持するために必要なエネルギーで、要は、寝ているだけでも消費されるエネルギー。
サウナの温熱効果で体が温まり、血液の循環も良くなることで、酸素や栄養素が体の隅々まで行き届いて、体が活性化する。つまり、基礎代謝が上がってエネルギーを消費しやすくなるんです。
1回の入浴では代謝の向上は一時的なものですが、定期的に体を暖めることを繰り返していると、スムーズな血液循環が定着して、体全体の細胞の状態も徐々に改善されていきます。
細胞が元気になると、内臓や筋肉などの機能が高まるので、基礎代謝も恒常的に上がる。すなわち、痩せやすい体質へと変化していくというわけです。
- 褐色脂肪細胞を活性化させる
脂肪を構成する脂肪細胞は大きく分けて2種類、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があります。
白色脂肪細胞は皮下脂肪や内臓脂肪を構成する、エネルギーを蓄える脂肪細胞。肥満の原因になるのがこの白色脂肪細胞ですね。その反面、褐色脂肪細胞はエネルギーを消費する細胞。活性化されると脂肪を燃焼するという役割があります。
体温が10分以上38°Cを超えると、体はヒートショックプロテイン（Heat shock protein, HSP)という特別なたんぱく質を合成します。このたんぱく質が褐色脂肪細胞を活性化させる役割があるんです。
サウナにはこのヒートショックプロテインの合成を促進させる作用があるので、間接的に褐色脂肪細胞を活性化することができるんです。
ここで注目したいのが褐色脂肪細胞の活性方法。もともと褐色脂肪細胞には寒さから体を守る役割りがあるんです。「寒い」と感じることによって脳から「体を暖めろ」という指令が出され、褐色脂肪細胞が活性化されて熱を発生させるので、エネルギーが消費されるというメカニズムがあるんです。
その通り！サウナと水風呂を交互に使うとより効率的に代謝を上げることができるんです。
サウナの上手な入り方
さて、サウナのダイエット効果が分かったところで、今度はどのようにサウナを活用すれば効率よく痩せやすい体質になるのかが気になるところ。
ダイエット効果を最大に引き出す上手なサウナの入り方には、次のようなポイントを念頭に置いてみると良いでしょう。
- 週に2～3回の頻度でサウナに通う
いくら代謝の高い状態を保ちたいからと言って、毎日サウナに通うのには無理がありますよね。ここで知っておきたいのは、先ほど出てきたヒートショックプロテインの性質です。このプロテインはサウナで体が熱されたのち2～3日かけて最大量に達します。
ということは、減り始めたころにまた暖めるとこのプロテインの量が保たれて、褐色脂肪細胞を活性化し続けるということですね。ですから、サウナは週に2～3回が良い、ということになります。
- 空腹時に入浴する
空腹時にサウナに入ると、即席ファスティング効果があるそうです。ファスティング効果とは、18時間以上何も食べないでいると、食事で摂取したエネルギーを使用して活動するモードから、体の中に蓄積したエネルギーを使用して活動するモードに切り替わる体の反応のことです。
サウナ入浴に使用する時間は1時間程度なので、ファスティングに比べるとかなり短時間で蓄積エネルギー使用モードになるんですね。ただし水分はちゃんと取ってサウナに入りましょう。
- 入る前に体を洗う
サウナで促進された発汗で、水分と同時に体の中の老廃物や疲労物質も排出されます。サウナ入浴前に体を洗うことで、毛穴などに詰まった汚れが落ちるので、体内からより効率的にこれらの物資が外にでるわけです。
- サウナ➞水風呂➞休憩を2～3回繰り返す
ダイエットに最も効果的なサウナの入浴の仕方は、「暖」と「寒」を繰り返す事。「暖」で血行、代謝とヒートショックプロテイン合成の促進、「寒」で直接、褐色脂肪細胞を活性化、ちょっと体を休めてこの工程を2～3回繰り返すことが良いとされています。
「暖」のサウナは温度と慣れにもよりますが、大体5分～10分。「寒」の水風呂には30秒～1分ほど浸かって、その後水分を補給しながら数分休憩、が理想的です。もちろんサウナも水風呂も慣れないうちは無理をしないようにしましょう。
- サウナ後の飲食には十分に注意
空腹状態で始めるサウナ入浴ですので、サウナの後はかなりお腹がすいていますし、喉も乾いていますよね。ここでサウナサロンの美味しそうな日替わりメニューや、冷えたビールに誘惑されてはいけません！
サウナ直後は体の消化・吸収機能がかなり高まっているので、カロリーの高い食事やアルコールなどがきれいさっぱり吸収されてしまいます。サウナで痩せない理由のトップに入るくらいです。サウナ後の食事の内容に十分気を付けましょう！
ダイエット成功の鍵は、サウナと運動と食事！
サウナのダイエット効果というのは、サウナで直接痩せるというよりも、代謝が上がって痩せやすい体になるという事だったんですね。
効率的かつ健康的に痩せるためには、代謝量の多い筋肉を増加させることと、カロリーや栄養素の摂取量を適切に管理することが効果的です。
とは言え、馴染みのない筋トレや食事管理を取り入れろと言われても、困ってしまいますよね。そこでお勧めなのがパーソナルトレーニングです！
パーソナルトレーニングはプロの指導の下、自分の運動レベルや体質に合った筋トレのメニューをこなしていくだけでなく、サウナの後どんな食事が望ましいのかなど、個人的な状況にも臨機応変に対応してくれるんです。一見複雑そうなダイエットもしっかりサポートしてくれるので、安心してダイエットに励めるんですね。
サウナを設備しているジムも少なくありません。パーソナルトレーニングの頻度も、サウナと同じく週2回が好ましいとされているので、筋トレした後サウナで汗を流し、筋肉疲労も回復しながら基礎代謝の向上に努める。〆はサウナ専用の特別メニューでお腹もココロも幸せに！なんてどうでしょう♪♪
まとめ
サウナで痩せるのか、痩せないのか？リラックスしながら痩せたい人には魅力的なサウナですが、一見減ったように見える体重は、大量の水分が排出されたからという一時的なもので、体重はすぐに戻ってしまいます。消費カロリーも実は思ったほど多くないんです。
ここで重要なのが即効性ではなく、長い目で見た場合のダイエット効果。サウナは体を暖めることで血行を良くし、体全体の調整をしてくれるので基礎代謝が増します。さらにサウナの「暖」と水風呂の「寒」の刺激で脂肪を燃焼してくれる細胞を活性化してくれるんです。
つまり、サウナではすぐには痩せないけれど、痩せやすい体作りにはかなり効果的なんです。パーソナルトレーニングを活用することによって、筋トレと食事管理も盛り込んでいくと、健康的なダイエットも楽しく効率的に成功しそうですね♪
